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「駄目だよ!そっちは」
突然、女の子の慌てた様子の声が下から聞こえてきた。僕はそっと階段から下を覗いてみる。どうやら女の子は、階段を上ろうとしている猫を止めているようだ。何度も抱きかかえては階段から離すのだが、負けじと猫はまた階段を上る為やってくる。何度も繰り返すうちに、女の子は自分では駄目だと思ったのか、母親を呼び、猫をあの籠の中へ入れてもらっていた。
(何だよ。二階へ上がってくる気だったのか)
僕は猫が入った籠をジッと見た。籠の中へ入れられた猫は鳴きもせず大人しくしている。しかし、僕にはその猫が籠の中からジッと僕の様子を見ている様な気がしたので急いで屋根の上へ行った。
晴れ渡る空を屋根から見るのは最高だった。これからあの猫との暮らしが待っているかと思うと暗い気持ちになるが、屋根に避難すれば平気かもしれないと思う事にした。
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