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名付け親
次の日になり僕は体が少しだけ痛いのに気がつき目が覚める。
(ん?何だ?)
痛みの場所を探す。
(こいつか・・)
見ると、あの猫が僕の足に小さな爪を立てて爪とぎをしている。
(やめろよ!)
そう言ったが、猫はやめてはくれない。それどころか、爪をたてられたところが少しづつ剝けてきて痛みもひどくなってきた。
(い、痛っ。本当にやめてくれ!)
悲鳴にも近い声を出した時、救いの神が現れた。あの女の子だ。
女の子は
「駄目だよ。そんなことしたらママに怒られるからね。またご飯貰えなくなっちゃうよ?」
と言いながら猫を抱き上げ部屋を出て行った。
僕はホッとして、リビングの方へ行く。今日は日曜日で会社が休みの父親はテレビを見ながらゆっくりくつろいでいる。母親は、自分の城のレイアウトが気に入らないのかひっきりなしに物を動かしては唸っていた。
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