もんじゃの話

デビュー

勝どきの地で生まれ、西仲通り商店街が一つの遊び場であった私の、もんじゃに纏わる話を聞いてください。

今でこそ「月島もんじゃストリート」と言われる西仲通り商店街ですが、私が小学生当時に知っているお店は「いろは・かぶき・きんか」の三軒と、駄菓子屋さんの軒先で子供向けに食べさせてくれる店が一軒でした。

この中で今も営業を続けているのは「いろは」だけのようです。

もんじゃデビューは西仲通り商店街中程に位置する、交番左側の路地を入った「いろは」で、姉が焼いてくれたのを小さなヘラにくっ付け食べるのですが、その単純な動作が上手く出来ず苦戦…。

何とか口に入れると熱いったらありゃしない！。

フゥ～♪フゥ～♪しながら食べるとこれがまた美味いっ！！。

家族はどんどん食べているのに、私の速度はその半分以下で、瞬く間に無くなってしまいます。

育ち盛りの私にはあまりにも大きなハンデ。不公平極まりないと思いますが、食そのものが生存競争ですから甘くはありません。小さなヘラを片手に次の焼き上がりを満を持して待ちます。

誰が考えたか知りませんが、もんじゃ焼きがとても好きになった記念すべき一日でもあります。