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「あ、メイ!明日の夜会の用意できてる?この前の靴より良さそうなモノを見つけてね。違和感ないかどうか教えて欲しいんだけど…」
ペラペラ話すアシュレイ様に言葉を差し込めずにいると…
「初めまして!わたくしフィーナ·メイの姉のエリア·ラナと申します。アシュレイ公子様でいらっしゃいますか?」
空気になっていた姉様が、元気に声をあげました。
キラキラした目でアシュレイ様を見ています。
…姉様、魔法を使えて美人だから可愛がられてて物怖じしないのよね…。
でもこのメーメルン公爵領では少し勝手が違いました。
「初めまして。アシュレイ·アルト·メーメルンです。メイの姉君ですか?…美人なアネができそうで嬉しいです」
「!ま、まだ決まっていませんよ?!」
私が慌てて言うと、ニヤニヤしていた女公爵と夫様方が
「あらレイ、まだ落とせてないじゃんか。頑張れ!」
「あぁ。公爵を落とすよりは簡単なはずだぞ?もっと積極的に動けよ」
「結婚の承諾させるのに、僕たち、ほんっっっと苦労したんだよ?仕事を山ほどメーメルンに持ち込んで疲弊させて承諾に持っていったんだ。大変だったんだよ?それよりメイの攻略は楽なはず!」
「おい?!それバラしたらダメな裏話だろ!」
「あ、ヤバ…」
「………二人とも。後で話がある。残ってくれるよね?っていうか、話聞かさなきゃ、王家と公爵家に三行半持たせて帰すぞ?」
「「はい。お話ししますので捨てないで!」」
…女公爵、お強い!
私も女公爵を見習わなきゃダメかしら?
のんびりそんなことを思っていると…
「何を言っていらっしゃるの?!妹は魔法が使えないのですよ?!そんな欠陥品の公女より魔法の加護を持っているわたくしの方が、皆に認められますわ!」
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