友よ

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友よ

あれから・・・ 数十年、言葉をかわす事など なき友よ なにもなき時代の中で 貴方の話す言葉だけは色あせない 今もなお私の横で語る 貴方の横顔が 素敵にみえていたあの・・・ いや・・・ 貴方のことを・・・ 友として・・・ 月夜を背に歩いた日々を思う 夜空をながめ月をさわり 貴方の指に・・・ ふれられない・・・ふれてはならない 寝そべり語り合う数㎝の隙間がもどかしく だまり静かに耳をかたむけた 時折近付く貴方の顔 呼吸をとめてしまいそうになる 好きな瞳、鼻筋、ふれたい唇 なにも知らない貴方 帰れない帰ってこれなかった 友よ この世も代わりゆく 歴史の語りべ達とともに 貴方の姿は あの日あの頃のまま あの場所に・・・ きざまれ消えた 愛しい友よ サヨナラ・・・ また会う日まで
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