信長公の黒人

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 時は戦国時代、織田信長の天下統一は目前の時という頃のお話であります。  信長もキリスト教には寛容でした。西洋やアジアなど世界の情勢、文化が豊富に入ってくるからです。  イエズス会のイタリア人巡察使アレックサンドロ・ヴァリニャ―ノは日本での布教に向けてインドで航海の準備にいそしんでおりました。  今度の渡航では日本の権威者、信長に謁見するというもくろみもありましたから、信長の気に入るような情報や土産物もたんとそろえての出港です。  いかに信長の気を惹くものをあつめられるか、それによって布教にも影響を与えるからです。  その土産物には黒人奴隷も含まれていました。名前はヤスフェ(諸説あり)というハブシです。ハブシとは主人に忠誠が高く戦闘技術にも長けている黒人奴隷のことをいいます。  どうやら東アフリカ・モザンビーク出身といわれていますが正確なところはわかりません。  ヴァリニャ―ノはヤスフェに目をつけ日本へ同行させることにしました。  さてインドを出発したヴァリニャ―ノ一向は長崎へと到着します。ヴァリニャ―ノもヤスフェも布教活動が目的でしたから、必死で日本語を勉強します。あれよあれよという間に各地を転々として2年の月日が、たっていました。
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