Zircaloy(ジルカロイ)

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両足首を束ねて巻きつけられた、 螺旋状の太い銀の糸。 宙吊りになった男の眼前には、 今にも煮えたぎって破裂しそうな大窯がある。 それは、強固なジルコニウムの合金でできていた。 窯の縁から時折、熱湯が吹き零れる。 その都度、あぶくと真っ青な炎があちらこちらでふつふつとゆらめく。 死者がこまねいている手に違いない。
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