宮藤 篠亜

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二年の昇降口に行くと、下駄箱に寄りかかりスマホをいじる制服姿の羽月を見つける。 「羽月!ごめん、待った?」 僕の声に気づいた羽月はスマホから顔をあげ「しの」と笑顔が返ってくる。 羽月の前に着き「部活お疲れさま」と言うと、羽月の左手が右頬に触れ、「ありがと。そんな待ってないよ」と優しく頬を撫でられ、同時に唇が左耳に近づく。 「、、、キスしていい?」 「、、っん、、、、ぅん」 いつものだと思い、羽月の言葉に返事をすると、お互いの唇が優しく触れ、唇を一舐めすると徐々に深みを増していく。 「、、ン、、はぁ、、、ずき」 『キスしていい?』は羽月がいつも口にする言葉。篠亜が事故で目覚めない期間があったことから、この言葉でかけがえのない大切な存在を確かめる。
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