ダイヤモンド

2/2
前へ
/5ページ
次へ
正装したオゼオとメイド登場 続いてマーミル登場 オゼオの母 ようこそいらっしゃいました。――申し訳ございません。夫はもう少ししたら来ると思うのですが。 マーミル いいのです、いいのです。ギリギリまで実験をなさってたんでしょう? あの方の性格は分かっておりますから。 オゼオ こんにちは。初めまして、オゼオと申します。 マーミル あら、こんにちは。随分立派な衣装ですね。 オゼオの母 すいません、この子張り切りすぎちゃったみたいで。――あの、宜しければ、こちらの椅子におかけくださいませ。 メイド椅子をひく マーミル あら、ありがとう。――いいんですよ、それくらいでなければ男の子は。服装は心ですから。 オゼオの母 ――それにしても随分遅いですね。ちょっと私、様子を見に行ってきます。 マーミル いいのですよ。私は今日は特に用事がございませんから。それに科学者と私達の時間を同じにしてはいけませんでしょう。科学に携わる方々は、私達とは別の時間を生きているのですから。――時々、太陽が昇るまで何か研究していることがございませんか? オゼオの母 ありますあります。太陽が昇るどころか、サンドイッチとコーヒーが並ぶ頃まで何かやっていることがあります。 マーミル ふっふふ。やはりですか。あのような方々には、昼も夜も関係ありませんからね。――貴女は相当苦労されてるんじゃございませんか? オゼオの母 まあ、正直に言いますと……。 メイド紅茶を持ってくる マーミル あら、ありがとう。 マーミル それにこの子もその父上の影響を受けているみたいですね。顎の下の所が汚れてますよ。 オゼオの母 あっ、オゼオ。ちゃんと洗ってきたの? オゼオ すいません。少し忙しかったので、急いでいたん、いたのです。だ、ですから……、お見苦しいところお見せしてしまって、すいませんで、した、マーミル様。 マーミル そんなに緊張しなくていいんですよ。それに私のことはマーミルおばさんって、呼んでください。今後もお世話になると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 オゼオ マーミル、おばさん? でも、ちょっとそれは。マーミルさんは、まだ若々しい方ですから、おばさんはちょっと……。 マーミル あら、これでもあなたの父上とあまり歳が違いませんのよ。 オゼオの母 そうなのですか? お若い方かと私も思っていました。 マーミル 仕方がありません、そう思っても。実際私の顔つきは子供っぽいですから。変でしょう。もっと綺麗な大人っぽい顔になりたかったのですけど。 オゼオの母 いえいえ―― オゼオ(オゼオの母に被さるように) 美しいです。とっても、美しいと思います。 マーミル いいのですよ。そうお世辞をおっしゃらなくても。 オゼオ いえ、貴女様ほど美しい大人の女性をこれまで、見たことがありません。 マーミル ふふ。貴方は、立派な貴族になりますね。きっと。もう既に女性の扱い方が分かっているわ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加