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正装したオゼオとメイド登場 続いてマーミル登場
オゼオの母
ようこそいらっしゃいました。――申し訳ございません。夫はもう少ししたら来ると思うのですが。
マーミル
いいのです、いいのです。ギリギリまで実験をなさってたんでしょう? あの方の性格は分かっておりますから。
オゼオ
こんにちは。初めまして、オゼオと申します。
マーミル
あら、こんにちは。随分立派な衣装ですね。
オゼオの母
すいません、この子張り切りすぎちゃったみたいで。――あの、宜しければ、こちらの椅子におかけくださいませ。
メイド椅子をひく
マーミル
あら、ありがとう。――いいんですよ、それくらいでなければ男の子は。服装は心ですから。
オゼオの母
――それにしても随分遅いですね。ちょっと私、様子を見に行ってきます。
マーミル
いいのですよ。私は今日は特に用事がございませんから。それに科学者と私達の時間を同じにしてはいけませんでしょう。科学に携わる方々は、私達とは別の時間を生きているのですから。――時々、太陽が昇るまで何か研究していることがございませんか?
オゼオの母
ありますあります。太陽が昇るどころか、サンドイッチとコーヒーが並ぶ頃まで何かやっていることがあります。
マーミル
ふっふふ。やはりですか。あのような方々には、昼も夜も関係ありませんからね。――貴女は相当苦労されてるんじゃございませんか?
オゼオの母
まあ、正直に言いますと……。
メイド紅茶を持ってくる
マーミル
あら、ありがとう。
マーミル
それにこの子もその父上の影響を受けているみたいですね。顎の下の所が汚れてますよ。
オゼオの母
あっ、オゼオ。ちゃんと洗ってきたの?
オゼオ
すいません。少し忙しかったので、急いでいたん、いたのです。だ、ですから……、お見苦しいところお見せしてしまって、すいませんで、した、マーミル様。
マーミル
そんなに緊張しなくていいんですよ。それに私のことはマーミルおばさんって、呼んでください。今後もお世話になると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
オゼオ
マーミル、おばさん? でも、ちょっとそれは。マーミルさんは、まだ若々しい方ですから、おばさんはちょっと……。
マーミル
あら、これでもあなたの父上とあまり歳が違いませんのよ。
オゼオの母
そうなのですか? お若い方かと私も思っていました。
マーミル
仕方がありません、そう思っても。実際私の顔つきは子供っぽいですから。変でしょう。もっと綺麗な大人っぽい顔になりたかったのですけど。
オゼオの母
いえいえ――
オゼオ(オゼオの母に被さるように)
美しいです。とっても、美しいと思います。
マーミル
いいのですよ。そうお世辞をおっしゃらなくても。
オゼオ
いえ、貴女様ほど美しい大人の女性をこれまで、見たことがありません。
マーミル
ふふ。貴方は、立派な貴族になりますね。きっと。もう既に女性の扱い方が分かっているわ。
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