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ため息をつく三人のテーブルに赤斗がコーヒーを運んできた。
「まあまあ。これで最後ってわけじゃないし。また企画しようよ」
「そうだな……」
「いい婚活パーティーだったと思うよ。成立率高かったし」
赤斗は青音だけでもカップル成立したことを喜んでいる。
「ああ、そうだ。お客さんに聞いたことがあるな。婚活荒らしが来るってさ」
白亜が伸ばしてた背を戻しコーヒーを飲みながら話す。
「婚活荒らし?」
「うん。なんか、髪が綺麗で長い清楚な女の子がいてさ、その娘がそこの男たちの注目を全部かっさらうんだってさ」
「すごいな」
「で、もちろんいつも誰かとカップルになるけど、上手くいかないのかどうなのか、また婚活パーティーやってきて荒らすらしい。その娘が来ると、女の子たちは今回はダメだって諦めるらしいよ」
「うーん。確かに髪が長くてきれいで清楚と聞いただけで婚活だと人気がありそうだな」
話を聞きながらやっぱり長い髪の方が良さそうだと桃香は思い、もう少し伸ばすことにする。同時にショートボブの茉莉は心配そうな目をして赤斗を見つめる。その視線に気づくと赤斗は茉莉の頭に手を乗せ「茉莉はショートが良く似合ってるよ」と優しく言う。
人目をはばかることなく、いちゃつこうとする赤斗を横目で見ながら白亜は席を立つ。
「じゃ、帰るよ」
「あ、俺も」
黄雅も一緒に席を立った。
「また今度企画しとく」
「しばらくいいよ。ちょっと青音の様子見てからで」
「そうか」
「まあ、ありがと」
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