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公園の茂みに潜み白亜と黄雅は、ミサキと理沙がやって来るのを待つ。早朝なのでだれ一人おらず好都合だ。
「相変わらず白亜のピンクは大味だな」
男の直線的なラインと体格を隠すべく、体形補正のし過ぎで外国のピンナップガールのようになっている。
「海外じゃこれで全然オッケーだったけど、やっぱ桃のほうがナチュラルだよねえ」
「ま、しょうがないか」
「黄雅のそのもったいない怪人? なんかゆるキャラぽくないか?」
「そうかな。ちょっとゾンビぽくしてみたんだけど」
優雅な性格の黄雅の怪人はどことなく品が良く愛らしい。青白い全身タイツに壊れた銃やぬいぐるみ、ヨーヨーなどのおもちゃが多数貼り付けられ頭にはナイフが刺さっている。これが矢であれば落ち武者のようだ。そして手には、古いタイプの大きな古いラジオをラッパーのように持っている。このラジオから『もったいねえ~』と不気味な音声が流れるようになっていた。
「あ、来た来た」
カンフー服を着た理沙とミサキがやってきた。
「理沙さん、カンフー服もいいけど、女教師ファッションの方が似合ってるね」
「だよなー。あのピンヒールで緑丸のやつ踏んでもらってるんじゃね?」
「いや、なんか長い指示棒でビシバシやれてるんじゃないかな」
勝手な憶測が飛び交う。
「ミサキさんもカンフー服悪くないけど、髪、もうちょと長くてもいいよね」
「ロングでカンフーってなかなかそそるねえー」
「あ、そろそろ行くよ」
「頼む」
公園の中央に理沙とミサキが差し掛かったころ、もったいない怪人が飛び出した。
「もったいねえ~。もったいねえ~」
パッと目の前に現れる怪人にミサキは声も出せず慄いている。
「あ、あっ、あ……」
「なんだ! 貴様! 怪人か!?」
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