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しばらく歩き、適当に大手チェーンのカフェに入る。中途半端な時間らしく客はまばらだ。店員にお好きな席にどうぞと案内され、白亜は明るい窓際の席を選び、ミサキを奥に座らせる。
「何飲むかな。さすがに腹はいっぱい」
「ですね! ほんと、たこ焼、美味しかったな!」
無難にコーヒーを頼み、一口啜った後白亜から話す。
「さっきは俺の事選んでくれてありがとう。他に良さそうな男いなかった?」
「えーっと、こちらこそ、ありがとうございます。実は白亜さんの名前書いたのは、なんていうか、くじを引くみたいな感じだったんです。当たるとラッキーかなーって。すみません」
「え? くじ?」
実際、白亜の名前を書いたのはミサキだけで、ミサキの方が多く名前を書かれていたことを二人は知らない。
「白亜さんはどうして私の名前かいてくれたんですか?」
「うー、なんていうか、そのー」
ミサキに関心があったことは確かだが、出来心というか、責任感というか複雑な気持ちを白亜は上手く言えなかった。
「わかった! 気を使ってくれたんですよね。ありがとうございます」
「え、あ、いや、そんなつもりでもないんだけど」
「一瞬だけど白亜さんとカップルになれて嬉しかったです」
「ん? 一瞬? なんで?」
「え? なんでって?」
二人とも会話がかみ合わず困惑する。
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