ホワイトシャドウ(旧ピンク)松本白亜(まつもと はくあ)編

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「俺とはあの場限りってこと?」 「ええ!?」 「せっかくカップルになったんだしさあ。付き合ってみてもいいんじゃないかなあ」 「白亜さんと私が……?」 「うん。こっち帰ってきてから恋人もいないし」 「それなんですよね。なんで白亜さんに恋人がいなかったのかと」 「いやあ、俺も軽く考えてたんだよね。今までは恋人いなかったことなかったからさあ」 「は、はあ、やっぱり……」 「でも、これも何だっけえーっと、一期一会ってやつかな?」 「うーん。この場合『袖触れ合うも他生の縁』のほうがいいかなあ」 「ああ、それそれ。まあ気楽にいこうよ」 「でも……」 「何か問題があるの?」 ミサキは服を脱ぐと振られてきたことを思い出す。いくら気軽に付き合っても終焉が見える付き合いをする自信がなかった。 胸が小さいからきっと嫌になると思う、とはっきり言おうと口を開いた。 「あの、白亜さんはピンクシャドウをどう思います?」 自分の胸の話をしようと思ったが思わず別の話をしてしまう。 「え? ピンクシャドウ?」 「ええ、この町に居たら見かけたことあると思うんですが」 「えー、ま、まあね」 白亜はコーヒーを啜り平静を装う。 「男性ってきっとピンクシャドウさんみたいに女性らしい人が好きだと思うんですよ」 「そうなのかなあ。ところでピンクシャドウの女性らしさって?」 「前にも話しましたけど、慈愛に満ちた優しさとあのふくよかな胸……。はあ、きっとピンクシャドウさんはモテモテだろうなあ」 「ミサキさんだって優しいじゃない、気配りもなかなかだったしさ。他の男もミサキさん狙ってたよ」 「いえー、それはないですよー。だって」 「だって?」 「え、あ、あの……」 ミサキは胸元に視線を落とす。今回はありのままの胸の大きさで挑んだのだ。 「ねえ、ミサキさん。男がみんな大きいバストが好きなわけじゃないよ?」 「それはそう思いたいですけど、実際は……」 「確かに俺も男だから好きだよ、バストが。女性らしさが一番現れているところだと思っている」 「やっぱり……」 「だけど大きさにこだわったことは一度もないよ」 「そうですか。でも小ささにも限度があると思うんですよね」 「ミサキさんは確かに今まで見た中で一番小さいかもね」 「が、がーん……」 分かり切っていることだが、はっきり言われてショックを受け青ざめるミサキを見て白亜はしまったと思った。 「ごめん、ついつい……」 「いいんです。これでも結構タフになりましたから」
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