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ミサキと白亜が付き合いだしたことは周囲にすぐ広まる。もちろん二人とも隠す必要がないからだ。
太極拳教室でもみんなにミサキは祝福された。そしてミサキの髪が耳を隠すほど長くなると、桃香が彼女の他の変化にも気づく。
「ねえ、ミサキさん、なんかバストアップしてない?」
「え、え、ええ、ちょっとだけ」
恥ずかしそうにミサキが頬を染めていると理沙も「ほう! 白亜とラブラブの証拠だな!」と朗らかに笑った。
「や、やだっ」
真っ赤になっているミサキはとても嬉しそうだ。
『黒曜書店』では新しく入荷した雑誌を黒彦が整頓している。
「最近の雑誌は付録がすごいな。むっ! こんなものが幼稚園児用なのか」
感心して眺めているところへ桃香が帰ってきた。
「ただいま。あっ、新しい雑誌届いてる!」
やはり付録付きのファッション雑誌を手に取って「へー! こんなのついてるー!」と声を上げる。
「なんだそれは」
「ナイトブラです。これつけて寝るとバストアップというか胸が育つというかー」
「ほう。すごい開発者がいるものだな」
「あー、そういえばミサキさんも結構アップしてたなー。でもあれは白亜さんの愛の力ですよねえー。いいなー私ももう少し大きくなりたいなあー」
「なんだまるで愛情不足のような言い方だな」
「えー、そういう意味じゃないですけど。もうちょっと大きいといいなーって。この雑誌買っちゃおうかなー」
「白亜からバストアップのエクササイズは聞いているから、今度試してやろう」
「えっ、そうなんですか? すごーい。さすが元化学者!」
「ただし結構続けないと効果がないようだぞ」
「へー。じゃちょっと頑張ってみます」
喜んでいる桃香にあまり趣味ではないが、パイずりをしてやろうと黒彦は早速やり方を考え始めるのだった。
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