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十分長湯をしてから風呂から上がってバスローブを羽織り、スケジュール帳を眺め休みの日を確認する。
「えーっと次会えるとしたら、ちょうど一週間後かあ。んー、仕事の合間に、えーっと明後日なら1時間くらい平気かな」
いつもより真剣にスケジュール帳を睨みつける。不定休で仕事の内容次第ではいつ休みが取れるか分からなかった。とりあえず10日くらいは予定が確定している。
「一週間後にデートするとしたら……」
優奈はパソコンですぐさま検索をかけると美術館で古代エジプト展が行われているようだ。
「これは青音さんなら興味あるかも」
青音にお任せするのではなく一応企画はしておく。彼は受け身すぎる女性は好みではないことを知っている。
「もっともっと知りたいなあ。でも、慌てない慌てない。今日は1メートル以内に入ったんだし」
今までは青音の100メール以内の範囲に入ったことがなく、見つめるだけだった。
「生の声もかっこよかったなあー!」
脳内で青音の声を再生される。
「『佐々木優奈さん、素敵な名前ですね』かー! くぅー! なんで録音しとかなかったんだろう! 今日に限ってー! あ、まてまて、録音すると生声じゃないよね」
興奮するところを我に返りたしなめる。
「匂いちゃんと嗅いでなかったなー。チーズの匂いが結構きつめだったし。うーん。次回は匂い嗅いでおこう!」
新たな目標が出来、優奈はスケジュール帳にメモを残した。顔立ちもクリアに脳内で再生する。シャープな頬、引き締まった口元、鋭いが温かい眼差し、軽く分けた黒く短い柔らかそうな髪。すらっとした長身にしっかりした肩、短く切り揃えられた長い爪甲の指先と喉ぼとけ。
「はあはあっ。は、鼻血でそう……」
再生をやめてパジャマに着替えベッドに潜り込む。布団をかけ天井の大きな青音の写真に「おやすみなさい」と声を掛け優奈は眠りについた。
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