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起き上がったシャドウファイブたちが次々に祝福する。
「よかったな!」
「もう心配かけるなよ」
「記憶をコピー取っておくほうがいいんじゃないのか?」
照れ臭そうに黒彦は「すまなかった」と謝る。
「いいよいいよ。俺たちの仲だしな」
カプセルからみんな出て身体を伸ばし始める。気持ちも身体も晴れ晴れとしている。
「じゃ、後は適当に解散」
「うん」
「また、みんなでなんかやろうぜ」
「あ、ありがとうございました!」
桃香は立ち上がりぐしゃぐしゃの泣き顔で頭を下げた。
「いいんだよ、桃ちゃん」
「黒彦、ピンクを泣かすんじゃないぞ」
「ああ」
「そうそう。もう寝坊すんなよ!」
「分かった。肝に銘じる」
笑顔でみんなは帰っていった。
静かな地下室で黒彦と桃香は肩を寄せ合い、黙って喜びを噛みしめていた。
「お腹減ってないですか?」
「少し減ったかな」
「ご飯作りますね」
「うん」
2人は立ち上がり、地下室から地上に上がった。眩しい日の光に目を細める。手をつなぎ、明るい商店街を見渡しながら二人は仲良く『黒曜書店』へと戻っていった。
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