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「すみません。いつもご来店ありがとうございます。美味しそうに食べられているのでつい声をかけてしまいました。」
そう言われたので私はこう答えた。
「そうなんですねここのケーキはすごく美味しくてきにいってるんです。今日は買い物をしなければいけないので帰ります」
と聞くと店員さんは少し残念そうに
「またのご来店お待ちしております」
とだけ言うと店の奥に戻って行った。
そして私はそのまま駅に向かい、自分の最寄りの駅の倉崎駅に着き、駅から数分歩いたところにあるスーパーに向かった。
スーパーで買い物を済ませたけど買いすぎてしまった為、重い荷物をこれから家まで運ばなければならないのかと少し憂鬱な気分になりつつも頑張ろうと気持ちを奮い立たせスーパーを出たところで誰かに自分の名前を呼ばれた。振り返るとそこには兄の秀が立っていた。
「秀兄! どうしたの?」
「どうしたのじゃないよ? それどうやって持ち帰るつもりだったの? 買いすぎだね」
それを言われると私は何も言えなくなってしまう。確かにセールをしていたからといって買いすぎてしまった。思いビニール袋2つはさすがにまずい。けれど休み休み行けば何とかなるだろうと思っていたが私の考えは少し甘かったみたいだ。なのでこう反論する。
「休み休み行けば何とかなるかなーってところで何でここにいるの? バイトは?」
「今日は早く終わったんだ。ほら両方貸しなよ。僕が持った方が早い」
「秀兄が優しいなんて珍しいね。僕って似合わない……まぁそう言うならはい荷物」
そう言って荷物を渡すと秀兄は何かを呟きながらも荷物を受け取り先を歩き始めたが、ペースは私に合わせてくれているようだ。
普段は私に迷惑を掛けないように外では声を掛けてこない。その理由は昔秀兄が付き合ってた彼女に私が嫌がらせをされていたから。私は可愛いらしい。あまり自分では自覚がないけど……
まぁ今日は多分見てられなくなったから助けてくれたんだなってそんなことを考えながら秀兄について家に戻った。
家に戻ると私は秀兄にお礼を言って夕飯を作り始めた。
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