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終わりまでのカウントダウン 2
男の人に連れてこられたのは高層マンション。しかも、最上階。
それだけでお金持ちなんだろうと簡単に予想が付く。
男の人は部屋についても一向に腕を離してくれなくて、私は引き摺られるように寝室へと連れ込まれた。
「きゃっ!?」
乱雑にベッドへと投げられる。
ベッドがフカフカだったため怪我はないが、かなり雑な扱いだ。
この人もきっと私に酷いことをするんだと直感で理解した。
そして、その直感は正しかった。
男の人は私の両手をネクタイで縛ると、片手で私のパンツをズラした。
いくら、知識の乏しい私でもパンツをズラされれば、これからやることが嫌でも分かってしまう。
男の人はズボンのベルトに手をかけるとガチャガチャと音を鳴らしながら、ズボンとパンツを脱いだ。
出てきた肉棒に『ひっ』と小さな悲鳴をあげた。
男の人はそれなりに顔は整っているが、それでも初対面の人に犯されるなんて絶対に嫌だ。
「や、やめ...」
「うるせぇ。お前は商品だろ。んで、それを俺が買った。俺のものをどうしようが俺の勝手だ」
商品....物....。
そうか。そうだよね。私は両親に売られた商品なんだ。
商品に人権なんて、ありはしない。
男の人は一切慣らしてないそこに肉棒をあてがうと一気に私の中に侵入してきた。
慣らしてない上に私は処女だ。痛くない筈がない。
「うっ、ぁ.....ぃい」
「うるせぇ」
ゴンッと頭を強く殴られた。
これでもかなり声は抑えた筈なのに男の人には不快でしかなったらしい。
そこからの記憶は曖昧でよく分からない。ただ痛くて痛くて仕方なかったってことだけは覚えている。
泣けば殴られ、呻き声をあげても殴られ、抵抗なんてしようものなら意識が一瞬飛ぶくらい強く殴られた。
そして、冒頭に戻る。
私は今、男の人が居なくなった寝室でただじっと果物ナイフを見つめている。
ここに居てもどうせ男の人に酷いことをされるだけだ。なら、死んだ方がマシなんじゃないか?
それにこんな世界....生きてたって仕方ない。
幸せだと思ったことなんて一度もなかった。
私の手が無意識に果物ナイフを求める。
死んだあとなんて分からない。
転生するとか、天国や地獄に行くとか、天使になるとか色々話はあるけど正解なんて知らない。分からない。
でも、ここから逃げ出せるなら....。
死後の世界でも何でも良い。
私は手に取ったナイフを一瞬躊躇したものの、意を決して胸に突き刺した。
私の真っ白なワンピースが朱色に染まっていく。
不思議と痛みは感じなかった。
感じたのは解放感だけ。
あぁ、これでやっと解放されるんだと心の底から嬉しく思った。
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