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<お手伝いをしたい>
「ヒロお兄ちゃん、いいよーっ!!」
姫が裸足になった両足で地面を踏み締め、声を張り上げる。その両の手には水を滴らせる黒い布――、マントの端がシッカリと握られている。
「よーし。それじゃあ、絞るよ。ちゃんと握っていてね!」
宜いに応え、ヒロは自らが掴んでいるマントの片端を取り回して絞っていく。
マントから含んでいた大量の水が絞り出され、それに合わせて姫が「きゃーっ!」と楽しげな悲鳴を上げ、足に水がかからないように腰を引いて一歩下がった。
「姫、頑張れー。もう少し絞るからねー!」
「はーい!」
心の底からの楽しげな笑顔を見せ、元気な声音で姫は答える。はしゃぐ幼い少女を目にして、ヒロの頬は緩みっぱなしだった。
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