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オレを押し返そうと伸ばしてくる腕を捕まえ、細い指に指を絡ませた。
引き寄せて、唇を奪う。
「ッン、ンンッ、……」
(倭斗ってキスすっとすぐ口開くよな……)
舌入れてくれって言ってるようなモンだ。舌先でナカの感触を楽しむ。
あー……戻ってくる前にタバコ吸いに行ったのか……オレには「学校で吸うな」とか約束させたクセに。
「ぁ、……、あき、づき……」
倭斗の眉間にシワが寄って、掠れた声で名前を呼ばれ、背筋がゾクリとする。キスなんかじゃ足りなくて、それ以上のこともしたくなるのをどうにか抑え込む。
唇の感触も、濡れた内側も思う存分堪能してからようやく放してやった。
「ッ、はぁ……」
「アンタさ、」
ぼんやり呆けたようになってる倭斗の細い身体を抱きしめる。
ほらな、スキだらけじゃねぇか。
「秋月?」
「アンタが他のヤツに気赦した顔見せんのがムカつく。アンタはオレのだろ? アンタはそんな気ねぇんだろうが、むこうがそうとは限らねぇじゃねぇか、わかんねぇのかバカ」
思いつくまま口にする。アンタは危機管理が足りなさ過ぎるんだ。
「な、ん……バカて……センセにむかってなんちゅうこと……」
「油断してっと、食われちまうぞ?」
「こんな風に」──言いながら鼻先に軽く歯を立てて噛み付く。そのまま辿るように下へと唇を滑らせて、さっきつけたキスマークの上まで顔を下げた。
「──ぃッ……!」
一瞬だけ聞こえた、呻き声。
尖った歯先を食い込ませるようにマークの上へあて、そのまま強い力で食む。しっかりと吸い上げて、さっきよりも濃くなったキスマークを見てようやく気が晴れた。
「他のヤツに、ベタベタ触らせんなよ」
「オレだけにしとけ」──その独占欲と一緒にもう一度、オレは倭斗にキスをした。
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