第1話 初出場

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第1話 初出場

 高校三年生9月。僕の誕生月。僕の知らない所で書類が作成された。そんなことができたのも、僕は未成年、父親は副方面隊長、そして方面隊長と分団長は父が経営する造園屋の職員だったこともあった。まして、地の家の長男。地元の長男が入団することは、地域性の高い消防団では結構あるあるなのである。かなりレアな条件が揃ってしまっていたのだ。  9月の終わりには制服の採寸もおわり、分団長からは「最初の集まりは10月7日に分団の総会と聞いていた。そこで、分団に紹介するから、よろしくね」と言われていた。 しかし、災害はいつ起こるかわからないのだ。そしてそれは10月1日23時20分頃だった。
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