壹。ウチの姉さんは俺の受験より萌えの方が大事らしい。

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春はあけぼの。 やうやう白くなりゆく山際、 少しあかりて、 紫だちたる雲の 細くたなびきたる。 清少納言 枕草子より 「琴耶クン。聞いてるかね?????」 (意味なんだっけ?枕草子のやつ・・・) 「琴耶クン???・・・こっちゃん???」 「なに?姉さん。」 姉さんがあまりにも煩いので、聞いてあげることにした。 いい加減にして欲しい。 こっちは受験生なのにサ。 「こっちゃんには申し訳ないけど、私の萌えとネタの為に字羽根学園入学してもらおうと思うんだよ!」 「・・・・・・・・・・・・・・・は?」 字羽根学園と言ったら、偏差値も学費も高い高校だ。 学費はウチの家柄的に大丈夫だろうけど、偏差値はちょっとアレだよ? ヤバァイよ? 枕草子の意味も忘れかけてるヤツが入れると思ってんの? 頭大丈夫?姉さん。 しかし、全寮制で男子校。 意外に心置き無くバードウォッチング改め、ヒューマンウォッチングできるかも・・・・・・? 「という訳で、頑張って勉強してね♡」 「どういう訳だよ。」 この姉さんには、ボクの言い分が通るハズもなく(泣) ───現在必死の受験勉強により、男子校の全寮制である字羽根学園の門前に居る。 正直言って、チョー泣きたい。
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