数学の応用問題が解けませーん

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数学の応用問題が解けませーん

「数学の応用問題って、なにをどうすればいいかわかんなくなって、頭が完全に止まっちゃうんだよね」 「じゃあ、ちょっとこの問題やってみ」  うーん、絶妙な難しさの選ぶよね。  とっかかりはなんとかつかんだけど、どうしても式が伸びていかない。 「ダメ。ギブアップ。できそうでできないんだよね。あと少しなんだけどなあ」 「ほんなら、答え見てみよか。解説も読んでな」 「あー。こうするのかー。なんでひらめかなかったんだろう。そんなややこしくないのに」 「もう一回やってみ」  言われるままに解いてみた。さっきはブロックされて進めなかったところもすんなりクリア。ばっちり正解。やるじゃん、あたし。 「できたよ」 「どうや。難しかったか」 「ううん。やり方わかってたから、すらすらいけた」 「数学って、手品の練習やと思い」 「どゆこと?」 「タネも仕掛けも知らんと手品の練習しても、上手くならんやろ」 「そりゃそうだよね、なにしていいかわかんないもん」 「でも、タネだけ知っとても、器用に指先を動かせな手品ってできんやろ」  パラパラパラとトランプを自由自在にあやつる手品師を思いうかべた。  うん、あんなの、いきなりやれって言われても無理だもんね。 「数学もおんなじなんや。解き方を知って、それを使えるように練習するんや。途中めっちゃ大変な計算があったりして、やり方知ってるだけでは手に負えんときあるからな」  練習かあ。数学ってひらめきだけで、あとは勘で勝負すると思ってた。  あ、これどうなんろう。 「学校でね、基本をくり返してたら、応用も解けるって言う人がいるんだけど」 「基本のくり返しっていうのは、見通しのいい一本道を使って何度も目的地へ行くようなもんや。でも応用は何本もの道がひねくりまわしてあって、どの道選んだらええかわからへん。せやから、なかなか正解にたどり着かれへんわけや」  うん。基本問題をなんべんやっても、応用は解ける気がしない。なんか難しさが別物なんだよね。 「でも、目的地までの道のりを知ったら、ちゃんと到着できるやろ」 「あ、手品のタネといっしょだ」 「そう。基本をやっただけで、なにもかもわかってバシッとひらめくような人はええんよ。一を聞いて十を知る、みたいなキレッキレの人。でもそうちゃうんやったら、やっぱり仕掛けを知らんとな。せやなかったら、いつまで経ってもナゾは解かれへんで」 「じゃあ、さっさと解説見て、くり返せばいいんだ」 「まあそれでもいいけど、どこで自分がつっかえるか知ってから見たほうが、ありがたみがあるで」 「ちょっとは考えろってこと?」 「そうやな。さっき、あーってなっとったやろ。自分のわからんかったことが解決したから、声が出るほどに感心したんちゃうんか」 「うん、そう。そこに目をつけるのかーって感動しちゃったよ」 「そういうのをどんどんやっつけていくんよ。解説見たらわかるのに、自分では思いつかんような問題をまず潰していこ」 「ちょっとずつ前進するんだね」  うむ、と強く縁切りさまがうなずいた。 「あかんかった問題をストックしてくり返してるうちに、コツがわかって来るから。解けるようになると、ああ、基本のこの部分を使うんかあって、ホンマにようわかるから。そうなると、初めて見る難しめの問題でも、正解までの道すじをみつけやすなるで」
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