2019.6.19

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2019.6.19

時折、目を覚ます瞬間に浮かぶ景色がある。 そこは青々とした芝生が広がる庭園で、手入れの行き届いた花壇の列や蔦で出来たアーチもあって、寝っ転がってみればさぞ気持ちいいんだろうなと思わせてくれる、心休まる風景だ。 その庭園の中心には大きな白い家があって、窓から覗くとどの部屋にも沢山のオモチャや絵本、画材なんかが転がっててやや散らかっている。 壁一面に子供の描いたような絵が落書きされた部屋なんかもあって、年甲斐も無く子供心をくすぐられるのだ。 入ってみたいと思うのだが、いつも目覚めの最中に垣間見れるだけで入れた事は無い。 いつか、あの白い家に入ってみたい。 そう思いながら目覚めた朝は、いつだって虚しさで泣きそうになるのだ。
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