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ザ・キング・オブ・ヘンタイ南条登場!
まだ時間が早く全員がそろわない賑わいと緊張が入り乱れた教室内。
僕は小学四年生という新たな学年の初めての教室で期待と不安を胸に自分の席から辺りを見回していた。
父親が気を利かせてくれて転校のタイミングは新学期に合うようにされたので、このクラスのスタートと共に僕の新しい生活が始まる。
どんな友達ができるのだろう。前の学校では気の合う奴らも多かった、今回もそうだと良いな。
実はさっきから気になっている子がいるんだ。
僕の前の席で熱心に教室内を見回している。友達になれそうな子でも探しているのかな?
勇気を出して声をかけてみよう。
「こんにちは。僕、北田って言うんだ。よろしく。」
すると彼は僕に振り返り、ニヤッと笑った。
「おう、俺は南条だ。よろしくな。俺に声をかけるとはなかなかだ。それにいい席取ってんじゃん。」
「席?出席番号順でしょ?」
僕が怪訝そうに言うと南条君は鼻で笑った。
「ああ、そうだったのか、だが先生か席の主が来るまで俺はどかねぇ。なぜならここは教室を見渡すのに一番いい席だからだ!いいか?前の方だと後ろを向かなきゃならない、それは不自然だからな。廊下側だと逆光だ。後ろからでは背中しか見えない。そう言う事だ。」
僕は南条君が何を言っているのかわからなくてそれそのまま顔と口に出た。
「南条君、何を言ってるかわからないよ。」
「おまえの目は節穴か!」
見開かれたまなこと真剣な表情、僕のわからない何かが彼にはあるのだ。でも僕には本当にわからない。
彼がそこまで真剣になる程の何かがこの教室の中にあるのだろうか…。
「と言われても…。」
「よく見ろ!よ~~~~~ぉく 見ろっ… 例えば… そう… あの子だ。」
彼の指さす先にはセミロングの髪の女子がぽっちゃりした女子と楽しそうに話している。
「エロい…。」
南条君はそう言った。
「ええ?」
エロいどころか地味で大人しそうだ。エロ要素皆無だ。
「どこがさ。」
すると南条君は僕に顔を寄せて言った。
「気づかないのか?」
僕がこっくり頷くと彼はため息とともに一度目を閉じるとカッと見開いて両腕を広げて言った。
「よく見ろ!思春期への階段を上り始めたばかりの手つかずの少女たちが全裸のまま服を着てたむろしてるんだぞ!!この光景を見て男として何も感じないのかお前は!」
「なっ!」
僕は驚きのあまり喉が詰まった。
南条君は僕の耳元で囁くようにさらに続けた。
「体の変化に気づき、それを恥じらい、必死に隠す子もいるだろう、新たな下着に戸惑いつつも自らが女性であることを自覚する子もいるだろう… うっすらと体を覆い始めた脂肪の柔らかさ、色づき始める唇、あどけなさが変化を起こす事に気づく子もいるかもしれない…。 そんな揺れ動く乙女心など完全に無視して今俺は、一方的に彼女たちを見ているっ!しかも服を着たまま素っ裸で!!」
な、なんだこの人は…。何て言ったんだ…?
ぜ… 全裸…、少女たちが全裸で服を着たままたむろしているのを服を着たまま素っ裸で見ているって!?
な、なんてエロい状況なんだっ!!
僕は何て淫靡な状況に身を置いているんだ!!ああっ!こんな空間勉強どころじゃないぞ!いいのか文部科学省!
子供の精神衛生上こんないやらしい環境が許されていいのか!
「な、南条君… 君は一体…。」
僕の驚愕の表情を見て南条君は言った。
「俺は南条!世界で最もエロい男だ!目くるめく官能の世界へようこそ。」
新学年早々、とんでもない大物に出会ってしまった!
これは僕と、この世で最もエロい男のお話…。
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