4月

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4月

準備をして少し早めに家をでる。 「花菜行ってらっしゃい」お母さんの元気な声に今日も登校する。 「はぁ……今日も学校か。」 思いがけずため息混じりの愚痴を吐露する。だけどいつもと違うことがある。時刻は6時半、早起きをしたせいか気分は悪くない。登校の準備をして、少し早めに学校に着いた。 流石にこの時間には誰も教室には居なかった。一番乗りの教室って気持ちがいい! 「宇佐見さん おはようございます!」 教室の隅にまで届く、聞き覚えのある声で私の名前を呼ばれた。声の主を確かめるようにドアの方を向く私の隣の席の男子であった。 「あっ…千鶴くんおはよう」 千鶴くんはいつもこんな早くに来てるのかな……。 「宇佐見さん早いんですね!僕もこれから、早く来ようかな。」 「別に合わせなくてもいいのに。」 「いつも通りの宇佐見さんで安心しました!!ちょっと心配してたんですよ。」 彼の言葉はとても優しく感じる。 それと同時に胸がトクンとするのは何だろう……。 優しい言葉をかけられたことが嬉しかったんだ。だけど、それ以上にこの気持ちが表す言葉を上手く分からない。 千鶴くんが今日も横に座ってくれている。私は彼を見ることが出来なかった。
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