4月

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「宇佐見さん、今二人きりですよ?」 「え…あ、そうだね!」 千鶴くんの言葉が急だったから意識してしまった。 『二人きり』 その言葉に深い意味なんて無いはずなのに緊張してきた。 私は平常心を装って答えた言葉は震えていた。 「宇佐見さん…??」 千鶴くんが、私のことをじっと見てきた。 心配してくれてるようにも思うけど、この状況が上手く読めない。だから私は聞くしかなかったんだ。 「な…何なの?」 「宇佐見さん……目をつぶってください。」 「え…?!?!!!」 「動かないでくださいね。」 何が起こっているか分からない。 心臓がバクバクいってるのがバレちゃいそうだ。千鶴くんが私の顔に手を触れた。 一瞬呼吸を止めて私は目をつぶった。 『怖い…』 「もう大丈夫ですよ! 髪の毛にゴミがついていました!」 力が抜けた……。そういうことか…。 「どうしました?顔真っ赤ですよ?」 あなたのせいでしょ…。 言いかけそうになった、その言葉をのみ込んだ。 私今なに考えてたんだろう……。
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