7人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「宇佐見さん、今二人きりですよ?」
「え…あ、そうだね!」
千鶴くんの言葉が急だったから意識してしまった。
『二人きり』 その言葉に深い意味なんて無いはずなのに緊張してきた。
私は平常心を装って答えた言葉は震えていた。
「宇佐見さん…??」
千鶴くんが、私のことをじっと見てきた。
心配してくれてるようにも思うけど、この状況が上手く読めない。だから私は聞くしかなかったんだ。
「な…何なの?」
「宇佐見さん……目をつぶってください。」
「え…?!?!!!」
「動かないでくださいね。」
何が起こっているか分からない。
心臓がバクバクいってるのがバレちゃいそうだ。千鶴くんが私の顔に手を触れた。
一瞬呼吸を止めて私は目をつぶった。
『怖い…』
「もう大丈夫ですよ!
髪の毛にゴミがついていました!」
力が抜けた……。そういうことか…。
「どうしました?顔真っ赤ですよ?」
あなたのせいでしょ…。
言いかけそうになった、その言葉をのみ込んだ。
私今なに考えてたんだろう……。
最初のコメントを投稿しよう!