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泣き顔見られたくない……。
誰か……。
「先生!!宇佐見さん朝から体調悪いみたいなので僕が保健室に連れてきますね」
「あぁ、そうか。頼むな。」
小声で千鶴くんが
「泣ける場所つくってあげますよ」と言い
私を保健室まで連れていってくれた。
保健室について、千鶴くんは私の手を握ってくれた。
誰かに優しくされるのがこんなに暖かい気持ちになれるなんて思ってもなかった。
「宇佐見さん、落ち着いたら教室に戻ってきてくださいね。」
「……。」
私は、このまま千鶴くんと離れるのが寂しくて嫌だったんだ。
「行かないで……。」
涙が止まらない私。
千鶴くんは少し微笑んだ。
「一時間目だけですよ?
もう一時間だけ二人きりになりましょう。」と
言ってくれた千鶴くんの笑顔が優しくて……。
「宇佐見さん。
はい!絆創膏!心の手当てをしましょう。」
千鶴くんの言葉は絆創膏よりも早く私の心の痛みをおさえてくれた。
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