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側に居てくれている。
“居場所“のようなところに千鶴くんがなってくれていた。
「たくさん泣いてもいいんですよ~」
「うるさい……」
「じゃあ、落ち着くまで黙っておきますね!」
そんなに優しい言葉をかけられるとまた溢れてくる涙。
私は、保健室の机に一枚の桜の花びらを見つけた。
「あっ……桜の花びら」
「宇佐見さんのこと勇気づけてるみたいですね!」
「どういうことよ」
「一人じゃないよ。
そんな風に寄り添ってるように思えますよ。」
その言葉のおかげなのか涙も流れなくなっていた。
「その花びらのように
僕が宇佐見さんが困ってるとき隣にいますからね。」
「ありがとう……」
目も合わせなかったのに
「こちらこそですよ!」
千鶴くんはずっと私の目を見てくれていた。
私は外に咲いている桜を眺めていた。
「綺麗ですね」
「え……あっ桜綺麗だね」
「ふふっ
そうですね。桜も綺麗ですね。」
二人きりの場所で言われる言葉。
それが特別に聞こえる。
今千鶴くんなに考えてるかな……。
私の心は、恋を覚えたピンク色に染まっていたんだ。
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