月明かりの下で

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 ようやく落ち着いた私に賢吾は言った。 「腹、減っただろ。  チャーハン作っといたから、食え。」 賢吾は、そう言ってチャーハンを温め直してくれた。 「おいし…… 」 賢吾の作ってくれたチャーハンは、おかかが入った和風の味付けで、優しい味がした。 「なら、良かった。  ほら、全部食え。」 賢吾は、私の向かいに座り、チャーハンを頬張る私を眺めている。 「ふふっ  お母さんみたい。」 私が言うと、 「何だと!?  この超イケメンを捕まえて、お母さんとは  なんだ。  せめて、お父さんにしろよ。」 と長い腕を伸ばして、私の頭を小突く。 「痛っ  もう! 暴力反対!!」 「暴力ってほど強くやってないだろ。  お前は昔っからそうやって俺をすぐ悪者に  するんだから。」 私がチャーハンを食べ終わると、賢吾は冷蔵庫から、缶ビールを2本取り出した。 「ほらっ」 「ぅわっ!」 軽く投げて寄越すビールを私は慌てて受け止める。 「もう!!  こんな事したら、ビール吹き出すじゃん。  こっち、賢吾のだからね。」 私は、賢吾の手にあるビールと、私が受け取ったビールを交換した。 「来いよ。」 賢吾は、つまみにするつもりなのか、ポテチを一袋持ち、ダイニングを出て行く。 え、どこ行くの? ビール、飲むんじゃないの?
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