書き物の女神様が、手紙を持ってきた。

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 (オレ)が主人公のハーレム作品だ。(レジ係)はオレに一方的に惚れ込んでしまう。(レジ係)は、毎日ラブレターを書く。一か月30通溜まってしまうのだ。  (オレ)は、自室に段ボール箱いっぱいのラブレターがある。(レジ係)を呼び出して、意味深げに、目を瞑らせる。ラブレターが山盛りになった箱を差し出すのだ。そして、(レジ係)に一つを手に取るよう促す。 「キミが手にした手紙の相手と交際するよ」 「わ、手紙取ったわ」 「じゃあ、帰ってな。お疲れさん」  最初から、(レジ係)のラブレターは、全て抜いてある。抜き取った手紙の女とは、半日だけ交際をして完結だ。 「オレがこの小説作品世界の神だ!」  作品を書き終えた後に訪れる快感は、体内を駆け巡るそよ風のようだ。
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