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「私の好きな人は、三組の拓己くん。月も知ってる、よね?」  知ってる。勿論、知ってる。私と日向と拓己で小さい頃よく遊んでいたから。 「そっか〜!拓己か!」  変に上擦った声で返事をしてしまった。日向は気づいてないか、横目で見てみたけど好きな人を私に告白した恥ずかしさで気づいていないみたいだった。…よかった。 「誰にも言わないでね!!」 「勿論。分かってる」  告白をしようとして花火に誘ったのに、日向の告白を聞くことになるなんて思ってもみなかった。結局、告白はできなかったし。情けなさやら悔しさやら、色んな感情が入り交じって、泣いてしまいそうだった。少しだけ日向への返事が素っ気なくなってしまったのは、許して欲しい。ごめん、日向。  涙が溢れそうな目は、夜の暗さできっと日向からはらはっきりは見えないだろう。  本当に、今が夜で良かった。
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