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「ちょっと熱くなるとこうだ、僕の悪い癖なんだ。簡単にまとめるとね」
そう前置きしてから、彼は続けた。
「キミは、12月24日の秘密を知った風になってしまったのだろうね。
まぁ、キミだけじゃないんだけれど…そんな子供はごまんといる。
ただ、僕はそれを──キミ達が【ウソっぱち】とか【騙された】とかで片付けるのを──見ていられないんだよ。
ほんの少しでいい、知っていてほしい、何故あんなにも必死になるのかを」
彼が憐れみを含んで目を臥せる表情と、【片付ける】という言葉にドキリとした自分自身に若干混乱している隙に、彼は次の行動に移した。
「これを。
12月24日まであと10日足らず…キミが見事使命を果たした暁には、キミが本当に欲しい物が見つかる事を約束するよ」
彼が私の手に握らせたのは、1枚の紙きれ。
中身をざっと目通しして、なんだよこれ、と問い掛ける前に、彼はぱっといなくなってしまった。
(なんだよこれ…)
もう一度繰り返して、くしゃくしゃに丸めて投げ捨てたかったが、出来なかった。
【~誓約書~
貴殿を聖夜の使命人見習いに任命す。
期間:本日より12月24日が終了するまで。
対象:小さいきょうだい。
報酬:貴殿の望むままに。】
──と書かれたそれは、私の指に摘ままれてひらひらと冷たい風に揺れた。
…
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