【聖夜のひみつⅡ】

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俺は今、とんでもないものを目撃したんじゃ… タケトは唾をごくりと飲み込んだ。 「あれー…キミ… 何故一緒に来れた?」 たった今気付いた風に、黒須はタケトにゆっくり目を向けて、だんだんと近づいてきた。 怖いのかなんなのか、タケトは口をきくことが出来ない。 「んー、サンタクロースの服装だから? いや、そんなのごまんといるよね… じゃあ何故…? …あぁ… そう… キミにも… キミのプレゼントを待っている 小さな命の輝きがあるんだね? へえぇ、 ふぅん、 若いのにねぇ。感心感心」 そう言い終わる頃には、鼻と鼻の先がくっつきそうな程に、黒須の顔が目の前にあった。 今まで気付かなかったけど、黒須の目は緑色にくすんだ色素で、まるでもみの木の葉っぱみたいだった。 「だけどね、キミが僕に逢うのはもっとずーっとずーっと先の話だから。 この記憶は消させてもらうよ。 ゴメンね? 古ーいしきたりってやつなんだよね(笑)」 黒須はニッコリ笑って、また、右手を高く掲げた。 おい待ってくれ。 俺知ってる。 昔、よくは思い出せないけど、オマエに逢ってる気がする。 似たような事があった気がする。 その指を鳴らしたらーーー ーーーぱちん!! 「ーーーーーーっあ??」 気付くとタケトは、片手にクリスマスケーキの箱を抱えて、もう片手を宙にさまよわせていた。 ザワザワザワと、この日特有の雑踏がタケトを包んで、タケトは訳が分からなかった。 …
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