【聖夜のひみつⅢ】

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「キミが僕と話している間、みんなずうっと部屋に居たよ… キミにはちっとも見えてなかったんだねえ…」 彼がいつの間にかすぐ横にいて、俺は彼の顔を見てぎょっとした。 老いた男と思いきや、10を越えたか越えないかくらいの少年だったのだ。 しかも…どこかで逢ったカオ、遥か遠い昔に。 「おいあんた… どこかで俺と逢ったことなかったか…?」 彼はふふふと含み笑って、手を差し伸べた。 「精一杯生きたキミに全てを話してあげる。 さあおいで。 話しながら…キミの奥さんの所へゆこう…」 俺は彼の手を取り、彼はにっこり微笑んで、ぱちん!と指を鳴らした。 あ、それ知ってる、と思ったと同時に、俺と彼の体は吸い込まれるように上へ。 雲よりも高く。 地球よりも月よりも高く。 …星よりも高く…    聖夜のひみつⅢ〈完〉 ーーーーーーーーーー [オリジナル執筆期間] 2016年12月23日
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