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老人は乾いた笑いをしてしばらくおいた後、は、と小さく息を吐いて、薄暗がりの向こうの僕を真っ直ぐに見つめた。
「わたしは…昨年で役目を終えたんだ。
わたしが思い描いた通りなら…
願いを、叶えにきてくれたのかね…?」
同じように僕もしばらくおいてから、言った。
「そうさ。
……そうともさ」
そして僕はゆっくりと、自分と彼との距離を縮め始めた。
ーーー彼の灯火の貯蓄と、それに値する何かを、引き換える為に。
なんでもかなえてアゲル
さァ
アナタは
ナニヲ
ネガウ?
黒須の行く先々に〈完〉
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[オリジナル執筆期間]
2017年12月25日~2018年5月27日
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