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さく、さく、さく。
耳が痛くなる程の凍てつきと静寂の中を、深い雪道を踏みしめる音が響き渡る。
その音は、とある場所を目指していた。
「…っ、おらぁ!」
ようやく辿り着いたそこは、重厚な木製の扉で閉ざされていて、更に積雪が開閉を難しくしていたのだが、音の主は腹の底から唸り声を上げて、ギギギと扉をこじ開けた。
「おや、初めて見る顔ですね? よくいらっしゃいました。寒かったでしょう、奥で暖をお取りなさい」
仄暗い空間からぼんやりと現れたのは、聖書を手にした司祭様だった。
…
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