チュールとレースとベルベット【差分】

24/30
79人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
 意外に小綺麗に片付けられた海斗の部屋へ通され、尊はバッグを開けた。  中にはもちろん、女子制服が入っている。 「じゃあ、斎藤さんはここで着替えててください。俺は飲み物持ってきますから」 「お構いなく」  とんとんとん、と海斗の足音が階下へ降りてゆく。  尊は制服を取り出した。  ブラウスのボタンを留め、リボンを結び、スカートを履いた。  気の利いたことに、ぴかぴかに磨かれた姿見が置いてある。  上から下まで、まじまじと自分の晴れ姿を眺めた。 「……いいッ!」  あぁ、幸せだ!  
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!