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ハロウィン
今夜はハロウィンだ。
そんな日に、友達が亡くなった。
友達の、お母さんは、あの子はハロウィンが大好きでしたから、ハロウィンの仮装で来て下されば、喜ぶと思いますと電話してきた。
僕はゾンビの仮装でお通夜に行った。
受付で、名前を書き香典を渡す。
葬儀場の中は仮装パーティーさながらだった。
後から後から仮装でたくさんの人が来る。
そのうちに妖怪や宇宙人の仮装が増えて来た。
その中の一人が僕に聞いてきた。
「君もオリオンから来たのかい」
「いや、私はオリオンではないです、群馬県からです」
「そうなの」
また、聞かれた。
「僕はアルビレオから来たんだ、君は」
「群馬県です」
「あ、そうなの」
何人かに聞かれたのだか、深夜に友達のお母さんに聞いてみた。
「アルビレオとか何ですか」
「ああ、あの子は預かった子供なんだよ、親は宇宙人みたいなの」
「宇宙人ですか」
「はい、円盤が、庭に着陸して、イカみたいな宇宙人に子供を預かるように言われて一億円もらいました」
「えー」
僕は棺の顔の部分の蓋を開けた。
「そこにはイカになった友達がいた」
「高度な科学技術で人間に見せていたようです、しかし良い子でした」
「そうなんですね、彼の生まれた星はどこですか」
「はい、イカスンダルです」
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