11人が本棚に入れています
本棚に追加
縁結び
もうすぐ50歳になる。
この年まで結婚まで発展することはなく、今も独身だ。
ふと、占い店が目に入り、中に入ると受付の男性が出た。
身長は2メートルは有る大男だ。
「今はサラバ先生しか空いてないです、先生はテレビ出演もされていて有名な方です」
「そうなんですね」
「お客様、ただいまの時間予約の合間です一時間一万円です」
(何か断れない雰囲気になったなあ)
私はサラバ先生のボックスに案内された。
「あーら、いらっしゃい、お掛け下さい、サラバです」
私が椅子に座ると。
鑑定料金表を、渡された。
進学、お見合い、結婚、進学、病気、性格など細かく料金が書かれていた。
そして名前と連絡先を聞かれた。
「これで電話鑑定も出来ますよ」
「ありがとうございます」
「料金先払いです、一万円になります」
「私に、いろいろ聞いたが、最後にアドバイスをくれた。」
「次の日曜日正午に、上野動物園に行きなさい、そしてミンクフアーベレー帽を被る女性を探しなさい、あなたはミッキーマウスの帽子を被りなさい、ラッキーアイテムよ」
「わかりました」
私は占い店を出た。
次の日曜日、上野動物園に向かう。
園内に入り、正午になるとミッキーマウスの帽子を被る。
(有名な占い師のアドバイス、従わないと)
恥ずかしい。
前から来る小学生にも笑われた。
すると。
―目の前にミンクフアーベレー帽の女性が居た。
僕は思いきって声をかけた。
「あのう」
「はい」
40才くらいの女性だ、確かに頭にはミンクフアーベレー帽を被っている。
運命の人だ。
「失礼ですが、お時間有れば、お話したいのですか」
「は、はい、行きます」
二人は、レストランに入り、話し出すと話が弾む。
それから何回かデートを重ねて、いよいよプロポーズもOKをもらった。
(やっと結婚出来る)
私は狂喜した。
(あの占い師が縁結びしてくれたな)
するとスマホに着信が入る。
サラバ先生からだ。
「結婚決まりましたね、おめでとうございます」
「はい、ありがとうございます」
(何故知っているんだ)
「では縁結び紹介料金50万円振り込んで下さいね」
最初のコメントを投稿しよう!