縁結び

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縁結び

もうすぐ50歳になる。 この年まで結婚まで発展することはなく、今も独身だ。 ふと、占い店が目に入り、中に入ると受付の男性が出た。 身長は2メートルは有る大男だ。 「今はサラバ先生しか空いてないです、先生はテレビ出演もされていて有名な方です」 「そうなんですね」 「お客様、ただいまの時間予約の合間です一時間一万円です」 (何か断れない雰囲気になったなあ) 私はサラバ先生のボックスに案内された。 「あーら、いらっしゃい、お掛け下さい、サラバです」 私が椅子に座ると。 鑑定料金表を、渡された。 進学、お見合い、結婚、進学、病気、性格など細かく料金が書かれていた。 そして名前と連絡先を聞かれた。 「これで電話鑑定も出来ますよ」 「ありがとうございます」 「料金先払いです、一万円になります」 「私に、いろいろ聞いたが、最後にアドバイスをくれた。」 「次の日曜日正午に、上野動物園に行きなさい、そしてミンクフアーベレー帽を被る女性を探しなさい、あなたはミッキーマウスの帽子を被りなさい、ラッキーアイテムよ」 「わかりました」 私は占い店を出た。 次の日曜日、上野動物園に向かう。 園内に入り、正午になるとミッキーマウスの帽子を被る。 (有名な占い師のアドバイス、従わないと) 恥ずかしい。 前から来る小学生にも笑われた。 すると。 ―目の前にミンクフアーベレー帽の女性が居た。 僕は思いきって声をかけた。 「あのう」 「はい」 40才くらいの女性だ、確かに頭にはミンクフアーベレー帽を被っている。 運命の人だ。 「失礼ですが、お時間有れば、お話したいのですか」 「は、はい、行きます」 二人は、レストランに入り、話し出すと話が弾む。 それから何回かデートを重ねて、いよいよプロポーズもOKをもらった。 (やっと結婚出来る) 私は狂喜した。 (あの占い師が縁結びしてくれたな) するとスマホに着信が入る。 サラバ先生からだ。 「結婚決まりましたね、おめでとうございます」 「はい、ありがとうございます」 (何故知っているんだ) 「では縁結び紹介料金50万円振り込んで下さいね」
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