78人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
肉を買う
覚悟はしていたが。
やはり神戸は遠かった。愛車で、休みながらではあるが6時間近く掛かった。
途中、吹田JCで大渋滞に当たったのも原因である。シロウ曰く「あそこのJCなぁ……名前こそ『吹田』だけだと、年中渋滞しているから『すいた』所を見た事が無い」そうな。
三宮近くは観光客が多く来るから、駐車場には困らないのが助かったが。
シロウに言われた地下街に行くと……
おお！確かに精肉店が！
よし、とりあえずこれで肉を……んん？！
思わず、値札を見直す。
『牛バラ肉 100g 2500円』……って！
おいおい、それは無いだろう！ いつも行くスーパーなら正札で160g600円くらい、閉店間際になれば350円で出る事もあるのに！
くそ……っ！流石は神戸牛だぜ……！
思わず一歩引いてしまう。
買うべきか、買わざるべきか。
いやいや、迷っている場合じゃないだろう。
お前は何のために此処まで来たんだ？ 愛するリリカに美味いカレーを食わすんじゃなかったのか？ それをたかが1000円か1500円のために撤退するというのか？ 此処まで来るのにだって高速料金にガソリン代だって掛かっているんだぞ？ それをムダにすると言うのか？
意を決し、店主に注文を入れる。
「すいません！ そのバラ肉……100gください」
最初のコメントを投稿しよう！