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「ほんなら、これも食べてみまっし!」そう言って伯母さんがよそってくれたのは……尻尾がついてて皮が剥かれた……エビ? だけど、なんか尻尾も身もちょっと黒ずんでて、あんまりおいしくなさそうなんだけど……
「これはな、ガスエビって言うんや」伯母さんがニヤリとする。「見た目はちょっと悪いけどな、味はアマエビにだって負けん。うんまいよ~」
そう言われると、食べなければならない気になってくる。ええい、覚悟を決めるか。
「い、いただきます」
頬張った瞬間。
甘っ!
なにこれ! 下手すりゃアマエビよりも甘くないか? しかも身がプリっとしてて、噛むとそれがはじけて旨味が……ジュワ―っと……
やばい! めっちゃおいしい!
「どうや、おいしいやろ?」伯母さんが文字通りドヤ顔になる。
「ええ!」俺は満面の笑顔でうなずいた。
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こんな感じで、俺は能登の新鮮な海産物を堪能した。黒もずくの酢の物も、ザクザクした歯ごたえですごく旨かったし、ナマコの酢の物も、ナマコの外見から、ちょっと遠慮したいなあ、と思ってたけど、食べてみたらコリコリしてて意外においしかった。でも、やっぱり海の幸はどれも真冬が旬らしい。
すっかり満腹になった俺は、ヤスの部屋でスマホを見ながら休憩していた。そうか……ガスエビって、気体のガスと関係ないんだ……よく取れるけどすぐにダメになるから「カスなエビ」ってことでカスエビが訛ってガスエビになったんだ。いやでも味は全然カスじゃないと思うけどなあ。
と、部屋がノックされた。
「カズ兄ぃ、そろそろ時間やよ」シオリだった。時計を見ると、19:50 になっている。
「分かった。行こうか」
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