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『ほんでぇンね……ウチ……どうもその前日に……何か、起こりそうな気がするんやって……』
「……」
そう言えば、あの出来事が起こったのも石崎奉燈祭の前日だった……「謎の存在」は、自称「神」なので、何か神事があると出現確率も高くなる……ということなのかも……
そして、神職の血を引くシオリには、どうも「謎の存在」とコンタクトできる独自の能力が備わっているようだ。その彼女がわざわざ十月十二日という日付を挙げた、ということは……その前日にヤツとコンタクトできる可能性も、高いってことだろう。
そう。俺はどうしても、「謎の存在」にもう一度会いたかった。
本当に俺たちのせいで、過去に爆弾を送ったことになり、石崎の大火につながったのかを確かめたかったのだ。それで、俺はシオリに、またヤツにコンタクトが取れそうな現象が起こったら教えてくれ、と頼んでおいた。そしてとうとうそれが起こった、ということなのだ。
「分かった。それじゃ、十月十一日の金曜日に行くよ」
『やった!』シオリの声が嬉しそうに弾む。『ウチ、楽しみに待っとるからね。カズ兄ぃ、またウチの家に泊まれんろ?』
「え、泊まっても……いいのか?」
『いいに決まっとるわいね! お父んもお母んも大歓迎やわいね!』
「そ、そう……そんじゃ、お言葉に甘えることに……するかな……」
うーん。
だけど俺……シオリと同じ屋根の下で……理性が保てるだろうか……
あやまちを犯しそうな……でも、伯父さんも伯母さんも、むしろそれを願ってるようなフシも見受けられるんだよな……
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