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第4章
「森」がざわめきました。
樹々がざーと揺れます。
木陰の背の高い雑草の中で、ぐっすり寝ていた小人のひとりが、そのざわめきで目を覚ましました。
あたりはすでに、薄暗くなり始めています。
樹々の隙間から覗く空が茜色に染まり、豊潤に茂った葉が夕陽で赤い輪郭を作っています。
小人たちは、樹々のざわめきに異変を感じました。
おい
おまえたち起きろよ
………
もう陽が落ちるぞ
………
しかしこの「森」のざわめきはなんだろう
なにか「森」が怯えている
………
樹々が不安気に揺れている
なにか来るぞ
………
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