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「えー。それでは、始めます。昨日ミオちゃんのカバンが無くなりました。」
ココロは気を遣ってか、ミオに視線を落とす。
ミオはやはり落ち込んでいた。
不幸が立て続けに起きたのだ。誰だってそうなる。
「ミオちゃん。続けても大丈夫?」
「うん」
ミオは頷く。
確かに自分の不幸話が議題に挙げられるのは不本意だろう。
それでも、聞いてみたいという好奇心がそうさせるのだろうか。
「では、続けます。ミオちゃん、昨日の放課後、確実に玄関に置いたのかな? 勘違いとかじゃなく」
「うん。間違いない。靴に履きかえるとき自分の下駄箱の前においたの」
ココロの質問に対しミオは答える。
すると――
「わたしも保障する。下駄箱までは一緒だったもん」
ミオの友人であるシノは、椅子から立ち上がるとポニーテイルを揺らしながら、ミオの補足をした。
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