真相偏

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真相偏

 数時間後――    私はファーストフード店で昼食をとり、学校関連の店の前に来ていた。  すると、店の前に見知った人影が一つ。 「何故ここにいるんだ? ココロ」  きっと全速力でこの場所に来たのだろう、息が荒い。 「きょ……今日は、ど、土曜……です……から」 「わかった、わかった。少し落ち着け」  私は、歩いて数歩の自販機でスポーツ飲料を購入しココロに渡す。  ココロはそれを一気に飲み干し息を整える。 「すみません。えーと、理由ですが午前中で学校が終わった僕は、学校指定のカバンで学校の購買部以外で買える場所はここしかないと思いまして」 「全てお見通しか」 「まあ、来るとは思っていましたがいつ来るかはわからないので、長期戦覚悟だったのですけれど」  そういうとココロは自分のカバンから小説を三冊ほど取り出した。意外だな、推理物だと思ったが全部ファンタジ―物だ。  それにしても、すでにカバンを購入済みということは予想してなかったのだろうか。  ……ココロの事だ。私の性格を理解した上でのことだろう。 「ここでの長話もなんだ、カバンを買ってくるからどこか――」 「あ、いえ。カバンはもういいんです。僕が弁償することになりましたから」 「そうか、それなられを持って行ってくれ」  私は用意しておいたカバン代が入った封筒をココロに渡した。 「すみません」 「いいんだよ」  私はココロを誘い、ニ人で近くのファミレスに行くことにした。  店内にて―― 「好きなもの頼んでいいぞ」 「あ。ありがとうございます。じゃあ、ドリンクバーとチョコジャンボパフェを」  甘いものが好きなのか。  私はドリンクバーのみを注文する。  パフェが届き、話は本題に移る。  聞かせてくれ。私が出て行ったあと教室で話したココロの推理。そしてココロがこの事件に関してどこまで知っているのかを。 「実は、先生が教室から出て行ったあとの推理ですが、おそらく緑川先生が想像しているものとは全然違うものになっています」 「ほう」  確かに気になっていた。ココロのこれまでの話し方から違うのは薄々感づいてはいたのだが。 「では、話します」
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