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なるほど、確かにこれでミオの勘違いという線はなくなった。
「わかりました。ということは――誰かがわざとミオちゃんのカバンを持ち去った可能性が高くなります」
クラスがざわつく。
皆予想はしていただろうが、口にして言われるとざわつきたくもなる。
お前じゃねえの? などと茶化す声が聞こえる。
こうなるからこそ、本来教師としては犯人探しはすべきではないのだ。
ココロは一旦皆を鎮め、続ける。
「ではまず、誰がよりも何故から考えましょう。考えられるものとして一つ目。金銭目的――ミオちゃん、カバンには財布とか携帯って入ってた?」
「ううん。財布も携帯もわたし持ってないから。それに……教科書も机の中に入れてたからカバンの中は筆箱とプリントだけ」
ミオは恥ずかしそうに答えた。
すると、男子生徒が、「大丈夫だって俺も置き勉してるし」とフォローする。
「わかりました。ということは、金銭目的ではない。仮に金銭目的でカバンごととったにしても、金目の物がなければ、問題になるのを防ぐため、場所が違ってもわかりやすいところに置きますからね。では、考えられるのはミオちゃんに恨みを持つ者の悪戯か、外部からの変質者による変態行為か――」
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