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そこまでココロが言うと、ミオの体がビクッと脈うち震えだした。
ココロはそれを見逃さず焦りながらもミオを落ち着かせようとする。
「あ、ごめん。大丈夫、部外者はないから!皆が下校中に変な人入ってきたらすぐわかるから」
それを聞き、安心したのかミオは少し笑顔になり――
「ありがとう。いいよ続けて?」と返した。
ココロは一つ咳払いをし推理を続ける。
「えーと。さっき言ったように変質者の筋はありません。ということは何らかの恨みをもっていたか、先ほど言いそびれましたが、その他の何かです」
沈黙を守っていた私だが、ココロの言葉にひっかかりを感じ質問する。
「ココロ。その他の何かってのは?」
「誰が何をどうやって、というような一般的な道筋が全く通じないような不思議な現象が起こった場合です。つまり、偶然が重なるとか奇跡が起こるなどですね」
ココロはその質問を待ってましたと言わんばかりに即答した。
私は補足も含めココロに確認する。
「ということは、馬鹿な話。妖怪が持ち去ったでもいいわけか?」
「それも、含みます」
クラス内に苦笑が広がる。ミオもそのやり取りが面白かったのか口を押えていた。
少し恥ずかしかったが、ミオの心が軽くなったのなら意味はあった。
そして、ココロは咳払いで場を制し次のステップに進もうとしたのだが。
「な、何やってるの!」
ここで登場したのが南先生。このクラスの副担任というわけだ。
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