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問題編
「――こういった理由から犯人は犯行に及んだのです。つまり、黒板に書かれたこの文字は犯行予告のための予行練習だった」
神山中学校の朝のホームルーム前に、たれ目の少年は教壇の前に立ち二十五名のクラスメイトを前に淡々と言葉を紡いでいった。
たれ目の少年――ココロは一年ニ組の男子中学生。
今行われている推理ショーは、神山中学一年二組恒例の朝のイベントだ。
犯行だの犯人だのただ事ではないことを言っているが安心してくれ。
実はこの犯人とその犯行――存在しないし、起きてもいない。
つまり、でたらめであり妄言なのである。
おそらく、昨日の放課後に誰かの悪戯で書かれた、「バカ」や「あほ」といった下らない落書き対して推理をしているようだが、よくここまでこじつけることが出来るな。ある意味尊敬に値する。
「そこまでだ。ホームルーム始めるぞ」
私は、この推理ショーを中断させた。
「えー」
生徒からの残念がる声。
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